もう、十分——自分をねぎらう時間
この1年、行政書士として日々の業務に追われるなかで、頭の中が休まることがまったくありませんでした。
「本当にこれでいいのか?」「もっと頑張らなきゃ」――そんな焦りと不安を胸に、心も体も張りつめたまま走り続けていた気がします。
でもある日、ふと立ち止まったとき、心のどこかから声が聞こえたような気がしました。
「もう、十分。今のままでもいいんじゃない?」
そのひと言に背中を押されるようにして、思い切って仕事を休み、高萩のウェルネスリゾート「天空の庭 天馬夢」へ――。
行政書士という責任の重い仕事を離れ、ただ「ひとりの自分」として、自然と向き合う時間を過ごしました。


バブル期の面影を残す豪華で広々とした館内。
この日は、ほぼ貸し切り状態で、誰にも気兼ねせず、ゆったりと過ごすことができました。
足袋をはいて森を散歩し、大浴場で体を温め、テラスでただ風に吹かれる。
聞こえてくるのは、鳥の声、風が葉を揺らす音……そして時おり、意外に元気なヤギや羊の鳴き声(笑)。



「何かをしなければならない」という思考から少しずつ解放されていくと、
忘れていた自分の呼吸や感覚が、静かに、でも確かに戻ってきました。



食事は、地元のオーガニック野菜を中心に、発酵食品やローフードを取り入れた心にも体にもやさしいメニュー。
一口ずつ噛みしめながら、五感が目覚めていくような、そんな体験でした。……とはいえ、ちょっとお肉も恋しかったですが(笑)。



なにも考えず、ただ「ぼーっとする時間」。
その豊かさに、私はようやく気づきました。
「丁寧な仕事」のために、まず自分を整える
日々の業務で多くの方の人生に関わらせていただく行政書士という仕事。
だからこそ、まずは自分自身を整えること、自分を大切にすることが、すべての出発点なのだと実感しました。
静けさの中で深く呼吸しながら、自分にこう声をかけました。
「よくやってるよ。もういいよ。焦らなくていい。」
これからも、丁寧に、誠実に。
でも、無理せず、自分の声にもちゃんと耳を傾けながら、また一歩ずつ前に進んでいこうと思います。
心がざわついたときは、深く呼吸し、自分の声に耳を澄ますこと。
人と向き合う前に、自分自身を整えること。
そして、迷いや不安があっても、「今、ここ」に立ち返ること。
これは、禅の教えとも重なります。
“今この瞬間”を大切にし、執着せず、淡々と、丁寧に。
そんな禅の精神を胸に、行政書士として、これからも皆様のお役に立てるよう日々修練を重ねてまいります。
一人ひとりの人生に寄り添うこの仕事を、
これからも真摯に、そして静かに、続けていきたいと思います。